【ゴルフ原理原則シリーズ】 振り子とグリップ Vol.4 グリップの本質(右手偏)[その1]
はじめに
ゴルフ原理原則シリーズ「振り子とグリップ」の第4回のテーマは、「グリップの本質(右手偏)」です。
原理原則の観点で言うと、フックグリップでもウィークグリップでもスタンダードなグリップでも、いずれのグリップでも名プレーヤーは世界中にいますので、グリップの形は、究極、どうでも良い(本質ではない)ということになります。クラブとの接点であるグリップは、何が本質であり大切なのかをお話します。
動画はいずれも、East Golf Schoolの高野コーチに提供いただいております。
イメージを捉えていただくため、動画の音声はありません。
望ましい状態
大事なのは、そのグリップにより、手首のベアリング(Vol.1でご説明)が効いた、振り子運動ができているかです。これができていれば、原理原則の観点で言うと、どんなグリップの形でもOKということになります。
悪い状態
ゴルフ初心者に教える時、私もそうでしたが、グリップから教えていました。しかし、原理原則を知った後は、下記の動画のように先にグリップを教えることの弊害の方が大きいので、今は初心者に教える時にはグリップの話は余り詳しく触れないようにしています。
グリップはこんな感じという程度の説明に留めて、それよりもクラブを”ぶらーん・ぶらーん”と振り子状態の素振りができるようになることを意識させるようにしています。
初心者にグリップについて、最初に教えると、意識がグリップにいき、グリップを固めてしまうことが多く、本来のクラブを振るという目的のイメージが出しくくなる弊害があることは知っておいた方が良いと思います。
グリップで大事なこと
左手の話は今後お話するとして、今回は右手のグリップの本質的な内容をお話します。
グリップで大切なのは、スイングした時に、手首が柔らかくクラブが手を中心に滑らかに動いている「ベアリング状態」を生み出せているかどうかです。
この手首のベアリング状態は、金槌で釘を打つ時や、布団を布団たたきでパンパン叩く時に、誰もが自然にやっている動作です。
ゴルフクラブは、少し重くて硬い棒なので、この誰でもできる自然な動きがやりにくいだけです。
そこで、以下の動画のように、右手でクラブを逆さまに持つ、またはアライメントスティックなどの軽い棒を持って、干した布団やインパクトバック等、物を叩く、またはビュンビュンと素振りしてみると良いです。
何も考えずに(ゴルフのスイングと考えずに)、ただただ軽い棒で物をパンパン叩く、またはクラブを逆さまにもってビュンビュン振った時、その棒をどんな風に握っているか、棒は指のどの辺りで動いているか、指と指はどこが閉まっているか開いているか、力の入れ具合などはどうかを参考に真似ることです。
<物をたたく動作>
<逆さ素振り>
今度は、ゴルフクラブを右手でもって、軽い棒を振った時の感覚をフィードバックし、クラブがなめらかに動くように繰り返し、ゆったりブラン・ブランと右手素振りをしてみて下さい。
段々スムーズになってくると、自然とクラブを人差指+中指+薬指3本で、握るというよりも、引っかけてる状態になると思います。そして、ベアリングが働いてクリンとヘッドが返る瞬間は、中指と薬指で支え(支点に)人差指の付け根の辺りでクラブを押し込んでヘッドを返していて、手首の力が抜けていると思います。
形にこだわり過ぎず、右手でクラブを振りながら(運動をおこしながら)、自分のグリップ(どの指と指でどのくらいの強さで握る)を探してゆくことが、グリップを本質的に考えることになります。下の動画を参考にしてください。
やってみると皆さん、良く言われるフィンガーグリップ(指で握る)が、この動きがやり易い(相性が良い)と感じると思います。
<右手1本素振り>
私の気づき
両手で、ベアリング状態を意識して素振りをしている時に、私が気づいたことですが。
フィンガーで握れていると、バックスイングのトップでは、右手の平は左手親指を抑え込んだ状態ではなく、少し親指から離れていて、左手は小指の握りを少し緩めている状態の方が、先の右手1本の状態を再現でき、ダウン以降でベアリング状態になり易い。グリップを教える時に、左手は小指から3本でしっかり握るという言い方が昔からよくされますが、実は、小指はしっかり握らない方が良く、またトップでは、アドレスの時の様に、右手と左手がピタッとくっついていなくても良いことを学びました。
多くの人は「しっかり握る」と言葉で聞くと硬めに握ろうとすると思いますし、またトップでも両手をピタッと握る意識があると思います。
トップで手に力が入っている方など、皆さんも一度、トップでは左手の小指はしっかり握らず、且つ右手の手の平を左手の親指から浮かせる(遊びをもたせる)ことを試していただくと、新たな発見が得られると思います。おすすめです。
長くなったので今回は、ここで一旦区切ります。
次回予告
次回は、「ベアリング状態を作りだす右手グリップと練習方法」について、お話します。
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