ゴルフ原理原則シリーズの第一弾、ゴルフスイングの「振り子とグリップ」について、何回かに分けてお話してゆきます。今回のテーマは「振り子の周期を確保しよう！」です。

 

私もそうですが、大人になってゴルフをはじめると、体の意識が強くなる。つまり、多くの方は、体をどう動かして球をヒットするかにフォーカスしてしまいます。

クラブに仕事をさせる、クラブの重さを利用するということに考えが行かない。特に、腕力のある男性は、力でクラブを動かそう、強くヒットしようと考える傾向が強いと思います。

 

一方、子供からゴルフをしているアスリートゴルファーは、パターでも、バランスが取りにくい傾斜地でのトラブルショット等、どんな状況でも、常にクラブの周期を感じてスイングをしているので、ミスが少なく、結果、スコアを崩さないことにつながります。

 

ということで、ゴルフが上手くなるたに身に付けたい、振り子の周期を感じてスイングする（振り子の周期を確保する）ということについて、お話します。

 

動画はいずれも、East Golf Schoolの高野コーチに提供いただいております。

動画の音声はありません。

 

悪い動き

体の意識が強く、手首支点がなくてリズムが速い状態。この状態で、スイングスピードを上げてゆくと、無理やりグリップを抑え込んだり無駄な力が入りやすい。以下の動画イメージです。

 

＜悪い動き＞

 

 

良い動き

振り子運動の流れでスイングできれば、負荷をかけても、からだの無駄な力感がなく、クラブが効率良く運動してくれる状態となります。

 

＜良い動き＞

 

良い振り子運動の目安

振り子の周期が確保されているとは。

手首のベアリング運動がしっかりできていること（手首に支点がある状態）、言い換えると遊園地のバイキング、またはブランコを漕いでいる状態です。

且つ、切り返しに間が必要です。切り返しの前後でクラブに浮遊感（ふわっとクラブが宙に浮いた感じがあり、そのあと直ぐ重力で下がりだす瞬間の状態）がある状態で、最初は難しいですが、この間が取れると、振り子のリズムが保ち続けることができます。

 

＜振り子素振り＞

 

ベアリングとは

「かるい力でなめらかに回転させる部品」ですが、手（グリップ）がベアリングの役割で、手を中心（支点）に、クラブがなめらかに回転（スイング）している状態です。

上記動画では、クラブが股間の当たりで手を支点に、クリン、クリンとクラブヘッドが右から左、左から右と、なめらかに動いている状態になります。

 

 

ゴルフクラブという道具の扱いについて

ゴルフクラブは、シャフトが長くて先端が重たい。先端が重たいものを再現性をもって振ろうとした時には、振り子の周期を確保して、クラブにリズムを取らせる。または、手首を支点にしてクラブに仕事をさせるという感覚が必要です。

別の言い方をすると「クラブが主体、体（自分）は従」です。ゴルフスイングにおける主役は、クラブであって、自分は脇役になれるかがポイントです。

私は、うん十年「体が主体、クラブが従」でやってましたので、納得するのに１年以上かかりました。

 

振り子の周期を確保するためには

クラブのグリップ側の先を、親指と人差し指でつまんで、左右に振り子運動をさせる。

このグリップを「おつまみグリップ」と呼んでます。（名付け親は森プロコーチ）

これが、グリップを手で抑え込んでなくて、つまんだ部分がベアリングになっており、クラブにリズムを取らせている状態。

 

＜振り子周期の確保できている状態＞

 

練習方法

①素振り１

＜振り子素振り＞２つ前の動画をイメージしながら、クラブを”ぶらーん”、”ぶらーん”と口ずさみながら、振り子運動させてあげると、手首のベアリングと切り返しに間があるリズムが取りやすい。

 

両手では、この”ぶらーん”、”ぶらーん”というリズムが取れない方は、右手だけで、”ぶらーん”、”ぶらーん”してみてください。

 

②素振り２

以下の＜両手指６本素振り＞動画のように、両手の親指、中指、薬指の３本、または両手の親指、人差し指、中指の３本のどちらかやりやすい方で、両手合わせて６本の指先だけでつまむ感じで握ってみる。このグリップにすると、体や腕力でクラブを抑え込めないのでクラブヘッドに運動させるしかなくなり、振り子状態になりやすいです。試してみて下さい。

私は不調になると、この練習を良くやります。

 

③球を打つ

打ちっぱなしで、球がある状態で練習することにより、このゆるゆるグリップでも球が飛んでいく感覚を体に染み込ませてゆきます。

 

最初は、ボールに当たらないと思いますが、我慢してボールに当てにいかないことです。当てに行く動作は、体が主になるので、振り子の感覚が身に付きにくくなります。

振り子感覚で振ったら「ボールに当たった」という感覚が大事です。「当てる」ではなく、「当たった」です！

 

＜両手指６本素振り＞

 

④振り子の周期で振る感覚をつかんだら、今度は、普通にグリップして、同じ感覚で振ってみてください。振り子の周期を崩さずに振る感覚が、体感できてくると思います。

 

最後に、右手１本で振る感覚を正（先生）として、それと全く同じリズムで振ることができるようになることが、正しく振り子の周期でスイングできているという目安になります。

 

 

次回予告

「上級者は、スイング中、手の中でクラブをどんな感覚で握っているか」について、お話します。